2020年9月26日土曜日

飛べない間にやること

 ご無沙汰しています。

鳥人間コンテストの特番の放送がありました。大会がないのは残念でしたが凝った作り面白かったですね。

ロケ地にもなっていた富士川でテストフライトしている弊チームですが、夏にはコロナも落ち着くかなという希望もかなわず、機体はこの通り積み込み準備をしたまま眠っています。




とはいえ通常はテストフライト(主にパイロットの練習)とメンテナンスに明け暮れるところ、考える時間が出来ました。

と、いうわけで雑談の中で出た話「時速50km/hでの翼の表面を見てみたい」という話を進めることに。

私たちの機体Nextz Avantは世界記録を視野に入れた高速機ですが、表面は軽量なスタイロフォーム・フィルムなど。狙った速度で変形やしわの発生がないかは、確認できていません。とはいえ風洞実験に掛ける設備もお金もない。さてどうするか。





車載した試験翼をウェアラブルカメラで撮ってみることに。ダウンフォース用の翼を付けた車は数あれど、揚力を生む翼を積んだ車はそうそうないはず。

これで富士川滑空場の滑走路を疾走します。折れたり飛んで行ったり・・は無いはず。どれほどの知見が得られるかは未知ですが、テストフライト再開の楽しみが1つ増えました。

ちなみに後部座席からのぞくと、ちょっとした旅客機気分を味わえます。


細々とした活動ですが、もう間もなく試験飛行再開できるかな、と思案中です。(密は避けつつ・・)

情報発信は引き続きTwitter(https://twitter.com/TeamF_WR)からになります。

テストフライト見学のご連絡なども、こちらへお願いします。


ではまた。

2020年5月11日月曜日

番外編:ハンドランチ

人力機の整備がひと段落してきた2年ほど前から作り始めました。
主エネルギー源が人力なところに親近感があります。材料、製作方法等が人力機に近いものがあるので、人力機の材料を流用したり、逆に人力機に製作方法を応用したりしています。

現存の3機の紹介
・スモール
  翼幅:1050mm
  翼面積:14dm^2
  重量:172g
昨年のテストフライトで飛行場に持っていき、主にTF後に飛ばしていた機体です。
体験機としていろいろな人に貸しました。落としたり、ぶつけたりで破損と修復を繰り返して満身創痍ですがまだ飛べます。

・ミドル
  翼幅:1250mm
  翼面積:16.2dm^2
  重量:181g


アラミド直貼りのテスト機です。車のシートを倒さずに非分解で運べるサイズで計画しました。使用したアラミドクロスは1号機NextzPlusのエルロンの残材です。主翼の仕上がりがいまいちでしたがまあまあ飛びます。メカ室の最前部に入っているのは高度ロガーです。適当なものが見つからなかったのでArduino互換機を使った自作です。展開すると下の画像のようになります。これをZ型に折りたたんで収納しています。

風の調子がいいときのログの一部です。

・ラージ
  翼幅:1500mm
  翼面積:20.6dm^2
  重量:252g(カメラ搭載時)

フルサイズのテスト機です。テールブームに主翼接合部のステー用パイプの残材を補強して使ったのですがまだ剛性不足のようです。フラッペロン舵面も剛性不足でフラッターが起きるので作り直したいところです。
 ペイロードとスペースに余裕があるのでカメラを積んで飛ばしました。使ったカメラはこれです。

前方ビュー

後方ビュー

ランチの瞬間はこんなにテールがしなっています。


コロナ自粛の夜明けが見えつつあるので、もうしばらく辛抱すれば人力機のテストフライトも再開できると思います。それまではこうやって一人でフライトを楽しむことにしよう。


2020年4月26日日曜日

自粛の春

今年はこれがGW後から稼働する予定でした。

しかし現状は・・・。
TF自体は密にはならないと思いますが、この状況で多人数が方々から集まるのはよろしくないのでTFはしばらく自粛します。再開は状況を見て判断します。少なくとも学校が再開してからでしょうか。


2020年4月16日木曜日

冬の活動まとめ

こんにちは。すっかり更新が途絶えていました。(PCキーボード不調につき・・)

本来はそろそろテストフライト再開・・のはずがこんなご時世ですのでいつになるやら。
とりあえず、冬の間の作業をまとめてお茶を濁します。
今回は主翼補修とフェアリング改造(途中)について。

①主翼補修
19年に2回飛行した"Nextz Avant"ですが、無事故で終えたとはいえ細々と折れたり剥がれたり・・ということで、翼はフィルム全剥がしで点検・補修です。開けてみると古傷も多数。15~16年には結構転んだりしていたみたいなので、当然ですね。
地味な作業ですが、

補修



フィルム貼り直し




スキーに行ったり(暖冬で大変でしたね)



補修



フィルム


の繰り返しで完了。


②フェアリング改造
少しお遊び的に、空気の取り入れを変えてみることに。

2019年(青がin 緑がout)

2020年はというと・・
こうしたい。


本機は速度記録挑戦用ですので空気抵抗は大敵になります。手っ取り早いのは穴は1つも開けない・・なのですがそれではパイロット(=操縦士+エンジン)がパワーダウンしてしまうので、最低限は換気します。換気がないと窓も曇りますし。

19年は前から入れて後ろから抜く・・でした。ノーズ付近は風も乱れず加速しているところなので、パイロットの冷却に有利です。鳥人間の飛行機も最近はみんなここらへんになりましたね。(上か横か・・はありますが)



ただし高速機にとっては本来ここは1つも穴をあけたくないところ。ということであまり抵抗にならない(はず)のところから吸気します。
風はゆっくり入るようになるので冷却には不利ですが、短時間しか飛ばない飛行機なので問題ないでしょう。
鳥人間の機体の優先順位が 冷却=換気>空気抵抗 だとしたら、
この飛行機では 空気抵抗>換気>>冷却 です。

まず取り入れ口の工作。実は従来も小さいのがついてましたが、大型化します。
2012年の東北大がこんな感じでしたね。



ここまでは簡単。

問題は天井。上から入れた風を一旦前に吹き出して窓の曇り防止を兼ねよう・・という狙いなので、天井の中を前方まで導風してやらないといけません。

ダクト付き天井。作業場にパソコンを持ち込んでうんうん悩み、


ニクロム線でダクトを切る作戦で製作しました。治具はこんな形。
カットするとこんな感じです。前後に4パーツに分かれています。



天井にはここから空気が入って

天井先端から吹き出します。

そして組付け。


穴無しノーズも



まだ改造は続きます。


今年の鳥人間コンテストについて。
大会中止、しかも大半のチームが活動不可能、というのは過去記憶がありません。
特にこの大会に青春を捧げていた学生の皆さんの気持ちは、察するに余りあるものがあります。
完成間近の機体から遠ざけられ、晴れの舞台がなくなって悔しいと思います。悲しいと思います。
おまけに来年はどうする!とか、ノウハウが!引継ぎが!みたいな声が外野からいっぱい飛んできて苦しいと思います。(周りはなるべく静かにしてあげましょうね)

この状況がいつ収束するか今はわかりませんし、これからのことは誰も正解はわかりませんが、皆様の活動が今後どうなるとしても、ここまで飛行機を作ってきた努力と経験は長い目で必ず役に立つと断言します。

今後、大会に向け頑張ってきた皆さんが少しでも納得できる形になるよう、また皆さんと飛行場でお会いできることを切に願っています。


さて、皆様なかなか活動できずもどかしいと思います。活動や機体に関する質問があればこのブログに書き込んでもらうか、twitterアカウント(@TeamF_WR)までお気軽にご連絡ください。

それでは